掛金・保険料と負担金
組合員の受ける報酬月額(基本給+諸手当)を、標準報酬等級表にあてはめ標準報酬の等級と月額を決定し、その決定した標準報酬月額に掛金・負担金率および保険料率をかけて計算された掛金・負担金および保険料が、共済組合を運営していくための大切な財源となります。
標準報酬・標準期末手当等
標準報酬・標準期末手当等とは、共済組合の掛金・保険料や給付金の計算の基礎となる額です。標準報酬の等級・月額は、短期給付・福祉事業については第1級・5万8千円から第50級・139万円まで、長期給付については厚生年金・退職等年金給付とも第1級・8万8千円から第32級・65万円までとなっています。
標準期末手当等の短期給付に係る上限は年間573万円、長期給付に係る上限は1回150万円です。
標準報酬の決定と改定
保険料および掛金・負担金は、組合員が受ける報酬を基に標準報酬の等級表にあてはめて、標準報酬月額および標準期末手当等の額として算定します。
報酬の範囲
組合員が受ける給料および諸手当のうち、期末手当、勤勉手当等を除いたすべての報酬をいいます。
標準報酬月額の決定
決定方法については、原則として次の5種類です。
資格取得時決定
組合員の資格を取得した月の報酬の額により標準報酬月額を決定します。決定された標準報酬月額は、組合員の資格を取得した日からその年の8月(6月1日から12月31日までの間に組合員の資格を取得した方については、翌年の8月)まで適用されます。
定時決定
- ※業務の性質上、季節的に報酬が変動することにより、通常通り3か月の平均額によって標準報酬月額を改定することが著しく不当であると認められる場合は、年間平均による保険者算定を申し出ることができます。
- ※4月から6月までの間に産前産後休業を取得することにより、通常通り3か月の平均額によって標準報酬月額を改定することが著しく不当であると認められる場合は、年間平均による保険者算定を申し出ることができます。
随時改定
昇級等により、報酬の額が著しく変動した場合に、標準報酬月額を改定します。
変動した月から3か月間の報酬の平均額から算定した標準報酬月額と従前の標準報酬額に2等級以上の差があった場合に、変動のあった月から数えて4月目に標準報酬月額を改定します。
- ※業務の性質上、季節的に報酬が変動することにより、通常通り3か月の平均額によって標準報酬月額を改定することが著しく不当であると認められる場合は、年間平均による保険者算定を申し出ることができます。
産前産後休業終了時改定
産前産後休業を終了した組合員が、産前産後休業終了日に産前産後休業に係る子を養育する場合に、共済組合に申出をしたときに改定します。
育児休業等終了時改定
育児休業等を終了した組合員が、育児休業等を終了した日においてその育児休業等に係る3歳に満たない子を養育する場合に、共済組合に申出をしたときに改定します。
育児休業等終了時改定及び養育特例※を申し出た場合のイメージ
期末手当等
組合員が受ける期末手当、勤勉手当、特定任期付職員業績手当および任期付研究員業績手当に相当する給与が該当します。
標準期末手当等の決定
期末手当、勤勉手当等の支給月において、その支給合計額から1,000円未満の端数を切り捨てた額により標準期末手当等の額を決定します。
掛金・保険料と負担金
共済組合が行う短期給付や保健事業に必要となる費用は、組合員が納める「掛金・保険料」と、地方公共団体が納める「負担金」で賄われています。負担割合は原則として掛金・保険料と負担金が50%ずつになっています。
また、共済組合は、介護保険の掛金・負担金も徴収し、各市町村で運営する介護保険制度へ納付金を支払っているほか、退職等年金経理、経過的長期経理の掛金・負担金と厚生年金保険経理の保険料・負担金を徴収し、その全額を長期給付を行う全国市町村職員共済組合連合会へ支払っています。
掛金・保険料と負担金の主な使い道
- ※このほか共済組合の運営に要する費用として事務費を地方公共団体が納めています。
掛金・保険料の徴収
掛金・保険料は、原則、組合員となった月から組合員の資格を失った日の属する月の前月まで、月単位および期末手当支給の際に徴収されます。したがって、月の途中で採用となった(組合員となった)場合でも、1か月分の掛金・保険料が徴収されます。掛金・保険料は、各所属所において毎月の給料および期末手当等から控除し、負担金と合わせて共済組合に払い込まれます。
掛金・保険料の計算方法
掛金・保険料は標準報酬月額・標準期末手当等の額に掛金率・保険料率を乗じて計算します。
掛金・保険料と負担金の免除
産前産後期間中および育児休業期間(産後パパ育休(出生時育児休業)期間を含む)中の組合員本人の掛金・保険料および地方公共団体の負担金は、申出により免除されます。
-
※令和4年10月より、月末時点、または月内に2週間以上の育児休業を取得している場合に、標準報酬月額にかかる分が免除されます。
また、期末手当等の支給月の月末時点で育児休業を取得しており、連続1か月超の育児休業期間がある場合に、標準期末手当等にかかる分が免除されます。 - ※「産後パパ育休(出生時育児休業)」とは、子の出生後8週間以内に4週間まで休業を取得できる制度で、育児休業とは別に取得できます。
なお、3歳未満の子を養育している組合員について、育児部分休業等を取得したこと等により養育前の標準報酬月額を下回るときは、本人の申出により養育前の標準報酬月額を厚生年金や退職等年金給付の算定基礎として、将来もらえる年金が減らないようにする特例があります。
育児休業等終了時改定及び養育特例※を申し出た場合のイメージ
所要財源率
令和6年4月~令和7年3月
一般・短期・特定消防・市町村長
(単位:千分率)
財源率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
短期給付 | |||||
掛金 | 負担金 | 調整負担金 | 育児・介護休業手当金に係る公的負担 | 介護保険 | |
掛金 | 負担金 | ||||
49.50 | 49.50 | 0.1 | 0.74 | 8.27 | 8.27 |
船員・船員短期
(単位:千分率)
財源率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
短期給付 | |||||
掛金 | 負担金 | 調整負担金 | 育児・介護休業手当金に係る公的負担 | 介護保険 | |
掛金 | 負担金 | ||||
47.75 | 51.25 | 0.1 | 0.74 | 8.27 | 8.27 |
後期高齢適用者
(単位:千分率)
財源率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
短期給付 | |||||
掛金 | 負担金 | 調整負担金 | 育児・介護休業手当金に係る公的負担 | 介護保険 | |
掛金 | 負担金 | ||||
2.59 | 2.59 | – | 0.74 | – | – |
任意継続組合員
(単位:千分率)
財源率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
短期給付 | |||||
掛金 | 負担金 | 調整負担金 | 育児・介護休業手当金に係る公的負担 | 介護保険 | |
掛金 | 負担金 | ||||
99.00 | – | – | – | 16.54 | – |
- ※平均標準報酬月額340,000円
- ※介護保険の掛金・負担金は、第2号被保険者である組合員(40歳以上65歳未満)にのみ係るものです。
- ※短期給付の掛金率および負担金率のうち、特定保険料率(前期高齢者納付金等に充てるための保険料率)に相当する掛金率および負担金率は、21.35‰です。
- ※短期、船員短期とは、令和4年10月から短期給付と福祉事業の適用を受ける短期組合員、船員短期組合員のことです。
- ※後期高齢適用者には、後期高齢者等短期組合員を含みます。
全組合員(70歳未満)
(単位:千分率)
財源率 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
厚生年金 | 退職等年金給付 | 福祉事業 | |||||
組合員保険料 | 事業主負担分 | 基礎年金拠出金に係る公的負担 | 掛金 | 負担金 | 公務等給付に係る負担金 | 掛金 | 負担金 |
91.5 | 91.5 | 39.6 | 7.5 | 7.5 | 0.0953 | 1.5 | 1.5 |
全組合員(70歳以上)
(単位:千分率)
財源率 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
厚生年金 | 退職等年金給付 | 福祉事業 | |||||
組合員保険料 | 事業主負担分 | 基礎年金拠出金に係る公的負担 | 掛金 | 負担金 | 公務等給付に係る負担金 | 掛金 | 負担金 |
– | – | – | 7.5 | 7.5 | 0.0953 | 1.5 | 1.5 |
後期高齢適用者
(単位:千分率)
財源率 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
厚生年金 | 退職等年金給付 | 福祉事業 | |||||
組合員保険料 | 事業主負担分 | 基礎年金拠出金に係る公的負担 | 掛金 | 負担金 | 公務等給付に係る負担金 | 掛金 | 負担金 |
– | – | – | 7.5 | 7.5 | 0.0953 | 1.5 | 1.5 |
- ※短期組合員等については、各年金に係る費用は徴収しません。
- ※派遣職員および労組専従者については、子ども・子育て拠出金(3.6‰)が別途徴収されます。
- ※労組専従者については、退職等年金給付のうちの公務等給付に係る負担金は徴収しません。
任意継続組合員の掛金の徴収
任意継続組合員は、短期任意継続掛金と介護任意継続掛金(40歳以上65歳未満のみ徴収)の合計額を共済組合へ直接払い込みます。
掛金の基礎となる標準報酬月額
次のいずれか低い額です。
- 退職時の標準報酬月額
- 令和6年度の平均標準報酬月額(340,000円)
掛金
短期給付・介護保険とも、地方公共団体の負担金分を含めた全額を負担することになります。令和6年度の財源率は短期任意継続掛金が99.00‰、介護任意継続掛金が16.54‰です。
算定式
- ※40歳以上65歳未満の任意継続組合員
短期・介護任意継続掛金の払い込み
(ア)払込区分
払込みは、12か月、6か月、および月払いの3とおりの方法から選択します。
- ※任意継続掛金を前納する場合は、掛金の割引があります。
(イ)払込方法
組合員の預金口座から自動振替する方法(百五銀行本・支店に限るため、給付金等受取口座は振替口座に変更されます。)と、払込書により払い込む方法があります。
月払いに限り資格取得申出時に「預金口座振替依頼書」を提出すると、短期・介護任意継続掛金を任意継続組合員本人の預金口座から自動振替します。
「預金口座振替」は毎月25日(当日が銀行休業日のときは翌営業日)です。
振込期日
(ア) 初回の短期・介護任意継続掛金は、退職の日から起算して20日を経過する日までに組合に払い込まなければなりません。ただし、口座振替の場合は、最長で任意継続組合員資格取得月の翌月の口座振替日まで、払込期日を延長することができます。
(イ) 2回目以降の短期・介護任意継続掛金は、任意継続組合員の資格を継続しようとする月の前月の末までに、組合に払い込まなければなりません。